2021年の韓国ドラマで視聴率17.4%という高得点は「哲仁王后 俺がクイーン!?」でした。
とは言っても、私はあまりにも変なタイトルだし、まったくといっていいほど関心がなく観る気なんかさらさらなかった。しかし・・
【哲仁王后 俺がクイーン!?】面白いの?タイトルで敬遠した・・でも見てよかった!
私は大の歴史好き。歴史ドラマがたまらなく好きなのです。古い時代背景も、言葉のニュアンスも、その中で心にじんと湧き出る感慨深いものが好きなのですが・・
このタイトルは何??チャラい!と、横を向いていたのでした。
でも・・何故こんなに「再放送」するのか?何故こんなにどこのメディアもとりあげるのか、何故??という疑問が出てきた。
理由があるはずだ・・
よし偏見ぬきでチャレンジしよう!
と、、、観ました。結果は
「面白い!」です
初めて時代劇を見る人には必見!
「ネタバレなし」の考察をしました。
【哲仁王后】まさかの傑作!その理由とは?
【哲仁王后】あらすじ~ネタバレなし
その前に「哲仁王后 俺がクイーン!?」の簡単はあらすじなしをお話しします。
先に、読みか方がわからないですよね
哲仁王后(チョルインワンフ)と読みます。チョルインはおくり名で、ワンフは王后。長いのですが、チョルインワンフと呼びます。
さて、主人公はチャン・ボンファン(チェ・ジニョク)という料理人。史上最年少で、チョンアデ(青瓦台)大統領官邸の料理人になった男。自己陶酔型。ここまで経歴も自慢で順風満帆な人生を歩んでいたのだが、何者かの罠にはめられて、刑事責任まで問われるなんてとんだ目に遭遇。逃げる途中で高層階から落下。目下がプールだったのは幸いだった。薄れる記憶に誰かが、近づいてくる・・命を取り留めて目が覚めたら、なんとそこは、19世紀の朝鮮王朝時代。
自分の体はいずこへ?鏡に映るのは女性の姿。明日婚姻を控えているキム・ソヨン・哲仁王后になってしまった、というわけです
転生物語は実は私も好みですが、とりわけ、大の女性好きな「イケてる男?」がよりによって、堅苦しい限りの朝鮮時代の王妃に。いや、「我慢こそ美しい」日本風にいうと「やまとなでしこ」として育てられた女性の体に入ってしまうという設定がユニークです。
その理由1~出演者の演技力
〇哲仁王后(シン・ヘソン)がすごい!圧巻!
チャン・ボンファンは哲仁王后の体に入ってしまうので、シン・ヘソンはチャン・ボンファン魂入りの「王后」を演じることになるのだが、目が離せない。
元は「やまとなでしこ」なのに・・チマチョゴリの裾を上げて走りまわる、足は開く・・言葉遣いは横暴、そして鼻まで・・・と言わんばかりのやんちゃぶり。また目が・・女性を見る目が「男の目」になっているのです。
最初はチャン・ボンファンと哲仁王后と二人が入っていると思うと、違和感があるのですが、何故か、だんだん慣れてきて、「哲仁王后」が男に見えてくる。
不思議な心理効果が発揮されます。
多くの視聴者を笑わせたのは「哲仁王后」のハチャメチャぶりです。
〇哲宗 (キム・ジョンヒョン)品があってチャーミング
第25第王の哲宗を演じたのがキム・ジョンヒョン。
哲仁王后がなんだか変なのにも関わらず、いちいち驚きもせず、受け入れていくとこが、絶妙。
暴言を吐いても、おかしな行動をしても、理解できない現代語も、(英語が出てくる)真顔で会話していくところが可笑しい。
ひとつひとつ覚えようとしているところがいじらしくもあり、
哲仁王后・ソヨンは速く荒いが、哲宗はゆっくりで大らか。
そんな二人のやりとりが、見ていて心が温まる。
大事なポイントです
〇チェ尚宮(チャ・チョンファ)の表情。やることなすことオールグットなスーパー脇役
哲仁王后に使えるチェ尚宮(サングン)がドラマの引き立て役!
私も今まで注目していたわけではありませんでした。
このドラマですっかりファンになってしまった。
後から調べてみたら、以外にも出演してらしたが、まったく気づきませんでした。
哲仁王后が変な人格になっているのを真剣に止めようとしたり、そのストレスを発散しようとしたりと・・こっちもこっちでドタバタ。
宮中の鬱な暮らしを晴らすユーモアが抜群。
幾度も吹き出して笑いました。
チェ尚宮のキャラクターが「哲仁王后」をより優れたドラマにしたのは間違いなしです。
〇待令熟手・宮廷料理長 マンボク (キム・イングォン)
それほど派手な存在ではありませんが、宮廷料理長なので、魂チャン・ボンファンの哲仁王后と料理バトルを楽しませてくれます。チェ尚宮との縁も愉快です。
と、まだまだ、魅力的な俳優さんは沢山登場しますが、楽しませてくれるキャラクターとしてここに紹介しました。
その理由2~時代背景は実話。
時代背景は事実です。哲宗、哲仁王后、金氏一族、大王大后の純元大后、趙大后
など、哲宗が王になった経緯もほとんど実話です。
ちょっと、深刻な場面は時代と揃っているところです。
とにかくだいたい笑いが絶えないドラマですが、そんな深刻で、ちょっと暗い部分もあるから尚更、他の場面が可笑しく映ります。ホッとするのですね。
バカバカしい(最高の誉め言葉)と笑えるって素敵です。
だいたい人なんて本当に大変なときは笑うしかない、なんてありますから。そんな境地と似ています。
そのため時代劇は重くて苦手な人にも入りやすく、事実もつかみ、話しも楽しさもつかむことができます一石二鳥というわけです。
その理由3~テーマーソングから愉快。
いかにも笑わせてあげる!と言わんばかりのオープニングソングです。
主人公のチャン・ボンファンの気持ちを歌った歌詞がこれです
ボンファン~ボンファナ~(名前を言っている)
この世に怖いものなんてない俺が、
自由きままで何ごとも怯まない俺が、
なんで、この身体に閉じ込められたんだよ
俺はこれからどうすりゃいいんだ~
まいったな。ややこしいじゃないか?
気ままな生活が、好き勝手な暮らしが、とうとう終わっちまったんだな~
翻訳:morejenny
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と、こんな内容ですが、
私はずっと「ボンファナ」を「オマナ~」だと聞こえてましたが。。
「オマナ~」(なんてこった?)
内容的にこっちだとばかりおもってました。
ドラマのために作ったのですね。歌詞の内容が面白いのもあるが、
歌い方と音楽が可笑しく細やかなユーモアに手を抜いていないところがいいです
その理由4~現代の料理やら食べ物を19世紀の朝鮮時代で再現するところ。
このお話しは他のドラマでもありますが、(屋根裏のプリンスとか)「食べ物」という一番簡単で、誰でもすぐに幸せになれるシーンはやっぱりいい。見ているほうも笑顔になる。
作る過程のシーンも味わった時の感動的な顔もどっちもハッピーでグット。
【哲仁王后】「面白くないかも?」理由考察
その理由1~チャン・ボンファンの登場不足?
主人公だが、声だけであまり登場しない・・・
仕方ないかもしれないが、そのためチャン・ボンファンの女性好きとか、
勝手気ままぶりが少なくて惜しい感じ。
チャン・ボンファンの過去のエピソードがもっと多かったら哲仁王后の豹変ぶりが極だってよかったと個人的には思うころですが。
あと、主役はシ・ンヘソンとなっていくので、(チェ・ジニョククファンが観たらもっと)
出て欲しいという消化不良がある。
その理由2~登場する俳優陣の「ビジュアル不足」はあるか?
私はノーです。
【かっこいい系】は 俳優ナ・イヌが キム・ビョンイン役でかなりいい役です。最後まで見ればですが・・・
【美人系】は俳優ソル・イナが 側室のチョ・ファジン役です。この人物も最後まで見ると印象が変わります・・
その理由3~時代劇だと思うと「裏切られる」
韓国では、歴史を軽視している、や、ふざけずぎている、という言葉もでたようですが、「歴史ドラマ」だと思うとおっしゃる通りです。
私は初めてタイトルを目にしたとき「哲宗??」と驚きました。
なんてなって、「哲宗」も「哲仁王后」も歴史の中ではインパクトが低く、(ごめんなさい)映画やドラマになる要素もないと信じていたのです。
あえて言うなら哲宗も生い立ちでしょうか、だからドラマなんてびっくりしたなんてもんじゃなかったのでした。
そう、だからドラマなんですね。
【哲仁王后】は「もはや時代劇ではない」、と、思えばさらに楽しめる
時代劇のようで時代劇ではない。
あくまで、エンターテインメント、ジャンルはヒュージョンコメディか、コメディか・・
それともラヴコメディ?
はっきりつけられないので困ります。
そのすべてですね。
真面目で、ふざけてて、ばかばかしく、ホッとさせるし、ずっと笑えて少し涙。
時代劇という枠でないユニークな時代劇風なドラマです。
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