トップモデルから俳優へ転身し、2006年の『宮~Love in Palace~』で一躍スターとなったチュ・ジフン。
その後は活動休止という大きな転機も経験しましたが、復帰後は『アシュラ』『キングダム』『ハイエナ』などで演技の幅を広げ、40代の現在、『トラウマコード』で再び大きな注目を集めています。
若い頃の“王子様スター”と、現在のチュ・ジフンでは、人気を集める理由も少し変わりました。
この記事では、モデル時代から『宮』でのブレイク、復帰後の歩みをたどりながら、なぜチュ・ジフンが40代で再び全盛期を迎えているのかを見ていきます。

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チュ・ジフンの若い頃|モデル時代から俳優になるまで
チュ・ジフンのスタートはモデル
チュ・ジフンは1982年生まれ、本名はチュ・ヨンフン。
19歳のとき、母の知人の勧めで撮ったプロフィール写真を同級生が雑誌社に送ったことがきっかけとなり、チュ・ヨンフンとして、2000年5月に女性ファッション誌『Cindy the Perky』の専属モデル3期に抜擢されてモデル活動を始めました。
ただ、2ヶ月ほどの活動で自身に足りない点が多いと判断したチュジフンは、一度活動を辞め、大学受験と並行してモデルの勉強をし直したといいます。
2002年11月、「チュ・ジフン」という芸名に変更。
2003年SFAA S/Sコレクション、ホン・スンワンショー「Sweet Revenge」でモデルとして再スタートを切りました。
その後、男性誌GQの12月号では、新人モデルとしては異例の12ページにわたる特集が組まれ、瞬く間にトップモデルの一人として注目を集めるようになります。
「モデル界の公務員」から俳優へ
チュ・ジフンは2012年のインタビューで、「モデルへの愛情は変わっていない」としながらも、表情やジェスチャーだけで何かを伝えることの難しさを感じ、より広い表現へ目を向けるようになったと振り返っています。
その経験は、俳優になってからも無駄にはなりませんでした。
2025年には、モデル時代からカメラのレンズや撮影方法に興味を持っていた経験が、現在のカメラアングルやレンズへの理解につながっていると語っています。
モデルとして培った「見せる」感覚は、その後、俳優としてカメラの前で人物を表現する土台の一つになったともいえるでしょう。
チュ・ジフンは
2006年、KBSドラマ『春のワルツ』のオーディションに合格していましたが、何らかの事情でこの作品には出演せず、代わりに同年MBCで放送された『宮~Love in Palace~』にキャスティングされることになります。
『宮』でブレイク|若い頃のチュ・ジフンが人気俳優になるまで
『宮~Love in Palace~』で主演に抜擢
『宮』を手がけたファン・インロイ監督とは、以前短編ドラマで一緒に仕事をした縁でミーティングを持ったものの、チュ・ジフンは当時「怖すぎて」出演を断ったといいます。
成人した青年が制服を着ることも気恥ずかしく、王子役というのもその頃は大きな負担だったそうです。
それでもファン監督は
「演技経験はなかったが、貴公子のような上品なイメージとカリスマ性を持っていた。あまりに優れたビジュアルの持ち主で、自分がキャスティングしなくてもどうせスターになる人材だと思った」
とキャスティングの理由を明かしています。
一方、当時24歳で演技経験もなかったチュ・ジフンにとって、いきなり主演を務めることは大きなプレッシャーでした。
2024年のインタビューでは、当時の撮影を振り返り
「24歳だった。演劇には入っていなかったし、演技専攻でもなかった。演技をしたこともなく、本当に何も分からないのに、いきなりやろうと言われた。実は『宮』も出演しないと3週間くらい固辞していたが、結局根負けしてやった」
それでも最終的には出演を決意。
ところが、待っていたのは想像以上に厳しい現場でした。
撮影ではアメリカ特殊部隊「ネイビーシールズ」並みのハードな演技訓練を受けたとし、
「怖かった。急に主人公になったんです」
「リーディングのトラウマがあって、今でも台本の読み合わせが苦手」だと言っています
爆発的な人気と戸惑うチュ・ジフン
『宮』はチュ・ジフンにとって、ほぼ演技経験のない状態で挑んだ初主演作。
放送前には新人起用を疑問視する声もありましたが、放送が始まると、モデル出身ならではの長身と端正なルックス、皇太子役にふさわしい気品とカリスマ性で一気に注目を集めました。
一方、本人は順風満帆だったわけではありません。
2006年のインタビューでは、俳優になった当初は「他人の服を着ているようだった」と振り返り、監督から叱られながら演技を学んでいったと語っています。
『宮』でスターへ、『魔王』で見せた新たな顔
『宮』の放送終了後には人気が急上昇し、本人も「自分もドラマに出たんだな。これが有名になるということなんですね」と冗談交じりに話すほど。
翌2007年の『魔王』では、復讐に燃える検事オ・スンハ役を演じ、演技力でも評価を高めることに。『宮』で一躍スターとなったチュ・ジフンは、『魔王』を通じて俳優としての存在感も確立していきました。
『宮』で注目されたのは、モデル出身ならではのビジュアルと“皇太子らしさ”でした。しかし翌年の『魔王』では、復讐心を抱えた複雑な人物を演じています。
スターとしての入口は『宮』でしたが、俳優チュ・ジフンの入口は『魔王』だったともいえるでしょう。
活動休止から再出発へ|演技派俳優として評価を積み上げた30代
活動休止から復帰へ
『宮』『魔王』でスターダムを駆け上がっていた人気絶頂期の2008年4月、ソウル・城東区のマンションで知人らとともに向精神薬を投与した疑いが持たれ、2009年5月19日に不拘束起訴されました。
この一件により、順調に見えたキャリアは大きく足止めされることになりました。
この間、チュ・ジフンは2010年2月から兵役に就き、2011年11月に除隊。
除隊後の2012年8月、映画『私は王である!』の公開に続き、同年放送のドラマ『蒼のピアニスト』で本格的に俳優活動を再開しました。
大きな挫折と空白期間を経て、2012年から再び作品に向き合い始めたチュ・ジフン。
ここから、これまでとは違う俳優としてのキャリアを築いていくことになります。
『宮』で一気にスターになった若い頃とは違い、復帰後のチュ・ジフンには、もう一度作品を積み重ねながら俳優として評価を取り戻していく時間が必要でした。
復帰後、演技派俳優としての転機『アシュラ』
2016年の映画『アシュラ』
それまでアクション映画の経験がなかったチュ・ジフンが演じたのは、先輩刑事を兄のように慕う後輩刑事ムン・ソンモ。
権力と金の味を知るにつれて、次第に善から悪へと変貌していく人物です。
チュ・ジフンは、その揺れ動く感情を繊細に演じ、錚々たる先輩俳優たちの中でも確かな存在感を示しました。
2018年に映画『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』で釜日映画賞助演男優賞を受賞した際には
「この栄光の場に来るまでの道は、『アシュラ』から始まったようだ」
と語っています。
その意味で『アシュラ』は、単なる代表作の一つではなく、“人気俳優チュ・ジフン”から、“演技で評価されるチュ・ジフン”へと変わっていく大きな転機になった作品だったのです
先輩俳優たちと過ごした時間
『アシュラ』では、チョン・ウソンら韓国映画界を代表する先輩俳優と共演します。
当時34歳だったチュ・ジフンは、ベテラン俳優たちとの共演について、尊敬しているからこその緊張があったと振り返っています。
「正直、最初は怖かったです。尊敬があるからです。でも、その怖さは短い時間でした。一緒にいると、とても良かったです」
インタビューでは先輩たちを“兄さん”と呼びながら、それぞれの人柄を冗談交じりに語る姿も見せています。
またキム・ソンス監督も、撮影現場でのチュ・ジフンについて、役に熱心に没頭していたと評価しました。
復帰後のチュ・ジフンにとって『アシュラ』は、演技の転機であると同時に、経験豊富な俳優たちの中で仕事をする時間でもあったのです。
作品と人との出会いで変わった考え方
『アシュラ』や『神と共に』などの作品を経験する中で、チュ・ジフン自身の考え方にも変化があったようです。
インタビューでは、以前よりも異なる意見や解釈、自分が知らなかったことを受け入れられるようになり、コミュニケーションの取り方も柔軟になったと語っています。
また、以前は人を憎んだり妬んだりすることもあったものの、そうしたことに使っていたエネルギーを、より良い方向へ使えるようになったとも話しています。
そしてチュ・ジフンは、
난 주변에 좋은 형들이 너무 많다
「僕の周りには、良い兄貴(先輩)たちが本当にたくさんいる」
と話し、先輩たちからこんな言葉をかけられたことも明かしています。
「俳優は40歳から始まる。とても長い戦いだから、長い目で見ろ」
作品だけでなく、さまざまな人との出会いを重ねた30代は、チュ・ジフンにとって俳優として評価を積み直すと同時に、人との向き合い方を広げていく時間でもあったのでしょう。
そして、先輩たちから「俳優は40歳から」と言われたチュ・ジフンは、実際に40代を迎えます。
40代で第2ブレイク|チュ・ジフンが再び人気を集める理由
2019年のNetflix『キングダム』で王世子イ・チャン役、翌2020年にはSBS『ハイエナ』で弁護士ユン・ヒジェを演じ、これまでとは異なる魅力を見せました。
当時のインタビューでチュ・ジフンは
「40代が近づくにつれ、挑戦に対する恐怖がなくなった」
と語っており、若い頃とは異なる落ち着いた心境で新たな挑戦に臨んでいたことがうかがえます。
2025年のNetflix『トラウマコード』でペク・カンヒョク教授役を演じたことで、韓国メディアはあらためて「第2の全盛期」を迎えたと報じました。
原作ウェブ小説の作者ハン・シンイガ氏はYTNのインタビューで
「チュ・ジフンが演じるペク・カンヒョクは、私が文章や漫画で作り上げたペク・カンヒョクを、最も説得力を持って高解像度で表現してくれた」と絶賛し、
「別のぺク・カンヒョクは想像しにくい」
と語っています。
『宮』では、長身と端正なビジュアル、皇太子という役柄が生み出す“王子様スター”として大きな人気を集めました。
一方、『トラウマコード』では、強烈なカリスマ性だけでなく、ユーモアや人間味まで成立させる演技そのものが支持されています。
つまり、若い頃は「スターになる人」として見出されたチュ・ジフンが、40代では
「この役はチュ・ジフンでなければ」と言われる俳優になった。
ここに、若い頃のブレイクと現在の“第2の全盛期”との大きな違いがあるのではないでしょうか。
2024年には、『支配種』
『照明店の客人たち』
『愛は一本橋で』
『プロジェクト・サイレンス』と1年で4作品に出演し、コンスタントな活動量そのものも「第2の全盛期」の裏付けともいえます。
チュ・ジフンは何が変わった?|若い頃から現在まで
チュ・ジフンは現在の人気について
『宮』の時は本当に圧倒されて怖く何をどうしていいかまったくわからなく、戸惑っていたのでした。
しかし、現在はファンや周囲に気遣うゆとりもでてきたといいます。
チュ・ジフンは何よりも長期的に考えることができるようになったのが変化してとこでしょう。
先輩俳優から「人生には終わりがあるからこそ、本質に集中することが大切だ」という言葉を聞いたチュ・ジフン。
若い頃のように目の前の人気に圧倒されるのではなく、現在は俳優として長く続けていくことを意識するようになったことが、インタビューからもうかがえます。
2024年に4作品、2025年にも大型ヒット作へと出演を重ねる現在の活動量にもそのまま通じています。
またチュ・ジフンは若い頃に比べ、インタビューでも飾らない様子で語るようになったようです。
「その年齢にしかできない作品がある」
そうまじめに話しながらも
20代の頃は、大人だと思っていたし、『宮』のイメージから脱皮したかった。
あの頃青春映画を撮っていればよかった、その後悔があって、今頑張っている
と笑って話します
年齢を重ねたことについては、結婚にも及びます。
2024年のインタビューで
「自分も40代になった。結婚して子供を産むのが当然だと思っていたが、最近は
『それが本当に正しいのか』と考えるようになった」と、若い頃の価値観が現在では変化していることを率直に表しています。
👉️チュ・ジフンの現在の結婚観や恋愛については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
チュ・ジフン結婚相手は?歴代彼女・結婚観・性格・出演作を完全網羅【最新版】
まとめ|チュ・ジフンはなぜ今も支持されるのか
母の知人の勧めで始まったモデル活動から、怖くて一度は固辞した『宮』での主演、人気絶頂期の活動休止、そして復帰後に出会った数多くの作品と先輩俳優たち。
チュ・ジフンの俳優人生は、決して一直線の成功譚ではありませんでした。
『宮』の頃のチュ・ジフンは、誰もが目を奪われる“スターになる人”でした。
しかし、失敗も空白も経験し、20年近く作品を積み重ねた現在は、「この役を任せたい」と思わせる俳優になっています。
「昔よりかっこよくなった」という単純な話ではなく、その長い積み重ねによって、若い頃とは違う魅力と説得力を身につけたこと。
それこそが、チュ・ジフンが40代で再び全盛期を迎えている理由なのかもしれません。



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