ドラマ「暴君のシェフ」では主人公:イ・ホン(モデル:10代王・燕山君)を陥れるためあらゆる手段を投じる悪役な王族として登場します。
ことあるごとにイ・ホンをジャマしようとする人物です。
ドラマではチェサン大君はどうしてそのような行動にでたのかはっきり描いていないです。
「チェサン大君は何故、ヨンヒ君(イ・ホン)を落とし込めようとするのか」
チェサン大君の目的が何で、どのような経緯があるのか、
チェサン大君とイ・ホンは間柄はなんなのか、
本当に敵対していたのか、事情は何か、
そんなチェサン大君の目的と、何故?に応えます
読むと「なるほど!」と、
ドラマ【暴君のシェフ】の全体像と中身が深くわかるようになります(^-^)
お楽しみください。
チェサン大君とは?
チェサン大君は実在の斉安大君(チェアンテグン) 本名:李琄(イ・ヒョン)(1466年~1526年)をモデルにして作られた架空の人物です。
先にドラマの登場人物とモデルとなった実在の人物を整理しましょう。
チェサン大君(チェサンテグン)相関図
人物整理
| 『暴君のシェフ』役柄名 | モデルとなった実在の人物名 |
| イ・ホン ヨンヒ君 | 燕山君・ヨンサングン |
| チェサン大君 | 斉安大君・チェアンテグン |
| カン・モクジュ | 張緑水・チャンノッス |
| インジュ大王大妃 | 仁粋大妃・インステビ |
実在の斉安大君とドラマとは違うところもあるし、同じところもあります。
そのあたりがわかることで、
「暴君のシェフ」チェサン大君のセリフの意味がわかり、行動の意味もわかります。
『暴君のシェフ』チェサン大君いったい何故?
王になるはずだった斉安大君
斉安大君の父は朝鮮第8代王の睿宗(イェジョン)でした。
在位わずか1年2カ月の短い冶世で、しかも、20歳という若さで突然亡くなってしまったのです。
次の王は「嫡男である斉安大君」
誰もがそう思っていたのですが、
王族の一番の権力者である斉安大君(チェアンテグン)の祖母貞熹王后が、次期王として、
懿敬世子の次男、成宗を指名します。(長男は月山大君)
燕山君(ヨンサングン)と叔父
燕山君(ヨンサングン)の父は成宗(ソンジョン)です
成宗の父と、斉安大君の父が兄弟関係です。
⇩⇩その子どもです
成宗の父が懿敬世子(ウィギョンセジャ)
斉安大君の父が睿宗(海陽大君)です
懿敬世子は王にあがる前に病気で亡くなりました。
弟の睿宗が第8代王になったのです。
そのため、睿宗が王になり、また亡くなった時点で、次の王に選ばれるのは、王位継承第1位の斉安大君だったはずなのです。
この番狂わせには政治的意図が入っています。
また、貞熹王后も朝廷の安全のために成宗が王になるのが良い、と考えての結果でした。
詳しくは筆者の⇩⇩⇩に詳しく書かれています。
チェサン大君の史実解説【暴君のシェフ】モデル斉安大君とは?玉座明暗の舞台裏
養子に出されてた斉安大君
4歳で父を失った斉安大君。
斉安大君(チェアンテグン)が失ったのものは、父だけではありませんでした。
約束されていた、「未来の王」の道、母との温かい生活、もてあまされる位の愛情…
王位継承第1位という地位を消すためでしょうか、
7歳になった斉安大君は第4代王世宗(世宗大王)7男平原大君の養子に送られます。
結果、「王位継承権」を失ったのです。
『暴君のシェフ』チェサン大君の目的
「この席(王座)は本来私のものだった」のセリフ
ドラマではチェサン大君が腹の内を明かした決定的なセリフです
このセリフは実在の斉安大君の心の叫びなのではないか、
という見方で描かれています。
チェサン大君がどうして、イ・ホンにあれほど嫌がらせをするのか、
こういう事情があったのです。
実在の斉安大君は?
ドラマに出てくるような、陰の権力者とはまったく違っていました。
斉安大君の政治には一切関与せず、また周囲からも政治をできる能力がない
生涯、「愚かな王子」と称されて生きています。
実在の燕山君(ヨンサングン)との間柄
ドラマ「暴君のシェフ」ではイ・ホンとチェサン大君が表向きはいがみ合ってはいないが、水面目では、にがにがしく思っている様子がみられますね。
特に、チェサン大君の方は王座から引きずりだそうと、機会をうかがっています。
彼はことあるごとに罠にかけて、ヨンヒ君(燕山君)が葬られることをしむける悪役でした。
しかし史実での斉安大君と燕山君(ヨンサングン)二人の関係は良好でした。
王の燕山君(ヨンサングン)のエピソードが残っています。
朝鮮実録に中には、
「燕山君(ヨンサングン)は継母の貞顕王后や弟の晋城大君(チンソンテグン:代11代王)
にも、愛想が悪く自分から接しようとはしなかった。だが斉安大君には朗らかに接していた。」
と、斉安大君には、心をオープンにています。
それだけ、斉安大君が、政治に無関心で無知だったからなのですが、
燕山君にとって、叔父は危険ではない数少ない人物。
安心して接していたのです。
実在・張緑水と「暴君のシェフ」カンモクジュの共通点
張緑水(チャン・ノッス)は斉安大君家の妓生だったという史実
斉安大君(チェアンテグン)は、楽器をひき、音楽をたしなむ日課を送っていた人です。
斉安大君は作曲などは、専門家顔まけのうでっぷりだったとも言います。
邸宅は常に音楽と歌で賑わっていました。
夜な夜な繰りかえされる宴に自然と妓生たちの腕も上達します。
そのなかひと際目をひき、腕が良かったのは張緑水(チャン・ノッス)でした。
張緑水(チャン・ノッス)と燕山君の最初の縁を作ったのは、叔父の斉安大君だったのです。
そのあたりはドラマでは詳しく説明がなかったので多分疑問を持った視聴者も多かったはずです。
ドラマの「チェサン大君が何故?」カン・モクジュにあれやこれやと指図するのか?
は、このような背景があったのです。
つまり、張緑水(チャン・ノッス)の最初のご主人は斉安大君でした。
妓生出身の張緑水(チャン・ノッス)もドラマ・カンモッチュも何故?王の側室(正4品淑媛)になれたのか?
妓生と言う社会的に身分の低い人間が
そもそもどうやって、一国の王に接近できたのか?
その答えは、史実の斉安大君と燕山君が政治的利害関係がない、良好な関係だったので可能だったのでした。
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